味のある本が積み重なる古書店や、せわしないビジネス街が交差する神田・神保町エリア。この街の境界線に、ひっそりと佇んでいるのが「Think Coffee(ティンクコーヒー)」です。
Think Coffeeは、ニューヨーク・グリニッジ・ビレッジで生まれました。「社会的な誠実さ」が創業時から大切にされており、店名が示す通り、1杯のコーヒーの裏側にある生産者の権利や環境破壊、そして人権について「Think(考える)」ことを、訪れる人々に静かに促しています。
NYから東京へ。弁護士が立ち上げた温かいカフェ。
アメリカ・ニューヨークのグリニッジ・ビレッジといえば、1969年に「ストーンウォールの反乱」が起きた場所。クィアカルチャーの世界的な聖地として知られています。「Think Coffee」はそのすぐそばの路地で、2006年からオープンしています。
元弁護士のJason Scherr(ジェイソン・シャー、以下ジェイソンさん)さんが創業したこのカフェのコンセプトは、「美味しいコーヒーを味わいながら、コーヒートレードをめぐる社会的責任や世界の持続可能性への思いを深め、日常の行いの中で『考えて』行動に移すこと」。そういった気づきが自然に促されるような場をつくることでした。

現在はマンハッタンで10店舗、ブルックリンで1店舗を展開しているこの店の日本初店舗が、東京の神田・神保町にあります。
日本に誘致したのは、国連でSDGs戦略に携わってきたという田瀬和夫さん。国連勤務時代に惚れ込んで足しげく通っていたNYのThink Coffeeを、意気投合した創業者のジェイソンさんに「ぜひ日本でも」と背中を押されて実現させたという経緯があります。
お店のキャッチコピーは「Good Coffee Doing Good」。おいしいコーヒーで、世界をちょっとよくするというメッセージが込められています。
Think Coffeeが入居する「神田SDGsコネクション」ビルは、ビル全体でサステナビリティを体現し、カルチャー・ビジネス・地域が入り混じり、価値を創造する拠点を目指しています。1〜2階がカフェ、3〜4階がコワーキングスペース、5階が共同オフィス、6階がイベントスペースという構成で、既存のカフェを超えた多様な交流や利用が生まれる空間のデザインを体現しています。ビルごと社会変革のプラットフォームになろうとしているその野心は、クィアスペースが単なる「居場所」を超えてコミュニティの拠点になってきた歴史とも重なって見えます。
落ち着いた空間でゆったりと味わう、考える。
メニューもインクルーシブで充実しています。米国大使館でも愛されているという濃厚なニューヨークチーズケーキをはじめとしたフードや、多様なドリンク、素材の良さを活かしたペストリーがあります。またフードやドリンク、それぞれにヴィーガンオプションが用意されているため、安心してメニューを選ぶことができます。
1階はフードショーケースと注文するカウンター、サクッとカフェ利用する人におすすめの飲食スペースがあります。2階に上がるとウッド調のスペースが広がっており、手前のソファ席は広々使う時におすすめ。壁に沿って座席が配置されておりそれぞれの席の幅もゆったりなのでリラックスしてカフェの時間を楽しめます。
SDGsに配慮した唯一無二のカフェ
Think Coffeeが一般的なカフェと異なるのは、倫理的調達の透明性と深さにあります。コーヒー豆はエチオピア・コロンビア・ニカラグアの契約農家からの直接仕入れのみを使用し、豆の取引価格や市場価格に対して支払われるプレミアムをサプライチェーンの資金の流れも含めて公開。
販売するコーヒー豆のパッケージには4色のラベルがあり、緑は清潔な水へのアクセスのためのインフラ整備、黄はニカラグアの農園の住宅環境整備、ピンクはコロンビアの農園住居の災害対策、青は女性の保健衛生環境(生理の貧困問題も含む)の向上支援を示しています。

「コーヒー1杯でいったい何が変わるの?」と考える人も少なくないはず。しかし、自分の消費がどこに流れているかを知って選ぶことで、ジェンダー問題の改善や環境汚染への対策、難民支援などに役立つとしたら……それはクィアやアライとして向き合う「見えない構造に気づき続ける」姿勢と、きっと地続きなはず。
多様な人々が多様な価値観を持ち寄り、どんな人も『自分』でいられるような居心地の良い空間で、コーヒーやフードを起点に社会を考えたり、話したりしてはどうでしょうか。
「Think Coffee Japan」
住所:東京都千代田区神田錦町2丁目9−15 1F-2F
アクセス:神保町駅 A9出口から徒歩約9分、大手町駅C2b 出口から徒歩7分
営業時間:8時00分~19時00分
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Instagram:https://www.instagram.com/p/DUK8HU5EuTF/

