セクシュアリティの悩みは、ときにとても個人的で、身近な人にも相談しづらいものです。
自分だけが特別におかしいのではないか、理解されないのではないかと悩んでしまうこともあるでしょう。この記事では、同じように迷いや葛藤を経験した人の声や、考えるヒントをご紹介します。安心できる居場所を探すきっかけになれば幸いです。
答えを急ぐ必要はない
悩んだとき、人に相談したり「セクシュアリティ診断」を試したりして、自分がどこに当てはまるのか早く知りたくなることがあります。確かに、一つの用語やカテゴリーに自分を見いだすことで、安心できる瞬間もあるでしょう。
けれど、ラベルが見つかっても孤独感が消えないこともありますし、むしろ「他と違う自分」に落ち込むこともあるかもしれません。それでも、あなたはおかしくありません。カテゴリーにしっくりこなくても、もやもやしても、あなたはあなたという唯一無二の存在であり、その価値は変わらないのです。
性的指向や性自認は流動的であり、途中で変化することもある
「ジェンダーフルイド(Gender Fluid)」という概念を聞いたことはありますか?フルイド(Fluid)とは流動性の、という意味で、ジェンダーフルイドとははっきりと自分の性指向を決めず、流動的なままにしておくことです。
つまり「決められない」も一つの状態だということです。どの枠に当てはまるか決められなくても、たった一人の「自分」であるということは変わりません。
また、途中で性的指向や制自認が変化することもおかしなことではありません。
「レズビアンだと思っていたけど、バイセクシュアルかもしれない」、「自分を男性だと思って生きてきたけど、違う気がしてきた」というようなことは、誰にでも起こりうることです。
年齢問わず「今の自分がわからない」と思っても大丈夫
思春期には誰しも心が敏感になり、自分のアイデンティティについて悩みがちですが、年齢がそれよりも上だから悩むべきではないということはありません。
セクシュアリティへの悩みは何歳から出てきてもおかしいことではありませんし、それで周囲からの視線を気にする必要はありません。
心は流動的であり、環境や自分の性質によって日々変化しています。自分が当てはまる概念を知って初めて、自分のセクシュアリティに気づくことも少なくありません。
自分を責めないで

悩んでいる状態は否定されるべきではありません。誰の存在も、否定されるべきではありません。
「こんな自分はおかしいのではないか」という問いの答えは常にNoです。無理解や偏見に触れることもあるかもしれませんが、それはあなたのせいではありません。
ゆるやかに生きる視点
私たちはつい、自分にぴったり合う言葉や答えを急いで探そうとしてしまいます。でも、セクシュアリティはきれいに形の決まったものではなく、ゆらいだり変わったりする、とても自由なものです。
迷いやモヤモヤも、あなたの大事な一部です。焦らず、安心できる場所や信頼できる人のもとで、自分のペースで向き合ってみてください。「こうでなきゃ」という枠を少しゆるめたら、あなたらしさは自然と育っていきます。
安心して相談できる場所を探すには

誰かに相談したいけど、傷ついたり無理解に触れたり、より悩みが大きくなったらどうしよう…。家族や友人には話しづらいけど、誰に話したらいいかわからない…。
そういった時に、第三者に相談できる窓口を紹介します。行政が紹介している窓口もあり、こちらのサイトにまとめられています。
また、LINEで気軽に相談できる窓口もあります。
相談したいわけではないけどちょっとしんどい時のWeb空間として、「かくれが」もあります。
あなたは一人じゃない

セクシュアリティに悩むことは、決して弱さや欠点ではありません。自分自身を大切に見つめ、よりよく生きようとする過程の一部です。
誰にも話せないことがあっても、あなたの存在は否定されるべきではなく、心が変わり続けることも自然なことです。
ラベルや正解を急いで見つける必要はありません。安心できる場所や人とつながりながら、少しずつ自分のペースで歩んでいけますように。